この「たかが選手」発言は、肖像権裁判ではなく、球界再編時での発言です。
ただ、なんとなく肖像権料を選手に還元していなかった時代を考えると関連して考えてしまいました・・。


平成18年(ネ)第10072号 肖像権に基づく使用許諾権不存在確認請求控訴事件
(原審・東京地裁平成17年(ワ)第11826号)
口頭弁論終結日 平成19年12月18日
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf

控訴人 日本プロ野球選手会
被控訴人 セ・パ野球連盟
なお,楽天球団とソフトバンク球団は,平成14年以降に野球界に参入した球団であるとして,本件訴訟の当事者(被告)とされていない。

主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

前回同様今回も上記PDFからの引用になります。所々中略しておりますので、予めご了承ください。


<ライセンス料は回収するけど選手に還元してなかった時代>

球団による肖像権管理において,例えば,平成4年から開始されたゲームソフトの実名使用に関して,球団がゲームメーカーから金銭を受け取りながら数年間選手に分配していなかったことなどが,一部の選手から問題ではないかという指摘が上がり,また,平成8年からの12球団での統一的な使用料分配開始後も,選手の取り分が2割あるいは3割しかなく,球団に著しく有利な,公平とはいえない分配率を定めていたことなど,肖像権管理において最も重要である肖像権料の分配について多大な問題があると認識し始めた。

野球カードの肖像権料について,被控訴人ベイスターズが昭和48年から30年間にわたって分配していなかったことなど,肖像権料の分配についての問題点が明らかになった。

このような中,実際の市場におけるゲームソフトの販売が減少するという異常事態を招くことになった,コナミ株式会社の独占契約という,著しく不合理かつ,選手の意思を無視した契約内容を球団が一方的に結んだという問題(平成12年のコナミ問題)が生じたことによって,控訴人ら選手は,球団による肖像権の管理に関する強い問題意識を持つに至り,平成12年7月の選手会臨時大会において肖像権を自主管理することなどを決議し,平成12年11月17日,野球機構に対して,自主管理通知を行った。

ゲームソフトに関しては,その後,平成8年から統一的な分配が開始したり,また,平成12年頃からは,リアル系ゲームソフトの登場により選手の肖像の使用範囲が拡大し,肖像権の管理に関して対価の支払方法や肖像の使用範囲が変更していることから,本件契約条項について何らかの変更が必要なのではないかと考えてしかるべきであるところ,この点についても,結論としては,何ら変更する措置はとられなかったのである。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf

<めんこ,かるた,ブロマイドの肖像権の経緯>

選手の氏名・肖像のライセンスの一形態である野球カードの歴史について記載した書籍の記載から裏付けられる。すなわち「常識を破壊!これが正しいスポーツカードの集め方」(報知新聞社刊。1998年。)の記載によれば,1950年代後半から商品化されていた「写真メンコ」が,1960年代半ば(昭和40年頃)から急速に発行量が少なくなり,その理由として「写真メンコを発行する際に肖像権の承認を球団から取る必要が生じたためではないかといわれています。それまでは雑誌などから写真をコピーして着色して商品化したものも多数発行されていたのですが,承認料を支払えないメーカーは次々に市場から撤退していったのでしょう」と記載されている。

しかし,上記文献は写真メンコの盛衰について述べた文献にすぎず,球団による許諾について述べたものではなく,これにより球団による肖像権管理ないし使用許諾料徴収が昭和40年ころから初めて行われたものと認めることはできない。

この事実に,被控訴人巨人軍が初めてパブリシティ権のライセンスを行ったのが,1962年(昭和37年)と考えられること,1960年代当時は,我が国でもパブリシティ権という概念になじみがなかったと思われることを総合すると,統一契約書制定当時である昭和26年ころには,当時商品化されていた,めんこ,かるた,ブロマイドについては,肖像権使用料が支払われていなかった可能性が高い。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf


<野球チップスの珍プレー使用の禁止>

カルビー株式会社においては,写真を選別するに当たり,プロ野球チップスの主たる購買層である子供がプロ野球に対するあこがれを抱くことができるようにするため,いわゆる珍プレーについてはカード化を厳禁するなど,選手の人格を傷つけることがない写真を選別している。

なお,カルビー株式会社と各球団との間で,選手の肖像等を使用するに当たり締結される契約書には,以下の契約条項がある。

①乙は本件商標等につき社会的,教育的に悪影響を及ぼすような扱い方をしないこと。

②乙は肖像等につき甲および甲の支配下登録選手のイメージを毀損するような使用を行なわないこと。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf
<契約書の年俸表記が突然「税込」に・・>
12球団の多くの球団において,平成13年以降統一契約書のコピーが配布され始めたのは,平成12年に統一契約書の年俸に関する表記をNPBが勝手に「(税込)」と消費税を含んで表示する形に変更したことから,12球団の全体の選手会でこれが問題になったためである
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf
<「市場閉鎖効果」嫌な話だなぁ・・>
選手会はプロ野球選手のパブリシティ権に関し,これまでに数度,構成選手からの管理委託に基づいて第三者(ゲームソフトメーカー)に対し使用許諾(ライセンス)を行っていたことがある。しかし,その後,球団側から選手会のライセンスを受けるのなら球団の商標ライセンスは出さないという圧力がかかるようになり,この圧力は,球団と選手会の双方からライセンスを受けてビジネスをしようと模索していたゲームソフトメーカーに向けられている。そしてゲームメーカー側は,球団側との関係を悪化させられないとの実務上の判断から,次第に選手会からのライセンス取得をあきらめざるを得ず,その結果,選手会ライセンスゲームが次々に姿を消し,選手会はかかるライセンスの管理業務ができなくなっている。これが「市場閉鎖効果」である

 これにより,選手らは,手数料を10%とする選手会と取引できず,これを20%とする野球機構(NPB)と取引せざるを得なくなっている。これは「価格維持効果」である。すなわち野球機構は,株式会社ピービーエスへの業務委託料とあわせて,合計20%の手数料を徴収しているのに対して,選手会は管理手数料を10%としており,野球機構は選手会に比べて2倍の手数料を徴収していることが明らかとなっている。つまり,選手の側から見れば,管理手数料が半額である選手会に委託したくても,球団側からそれを禁止されている結果,それを行うことができない。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/891/035891_hanrei.pdf
もしかするとウイイレのブンデスは、この状態なのでしょうか?
ウイイレでの過去のブンデスリーガ収録は、チーム名偽名・選手実名でした。
コナミが、ドイツ選手会と契約して、
チーム側と関係悪化し・・・(推測)

契約って色々あって複雑ですね・・・

関連:プロ野球ゲームで偽名が少なくなった経緯。ファミスタ、パワプロ、劇空間、プロスピ
*:上記に選手会が得た肖像権料の実額あり。

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